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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

CGMの起源

これは起源の想像にすぎない。90年代後半から実際に現場で携わった人には異論があるかもしれない。もしくは、ここに書かれていることは当たり前にすぎることかもしれない。
  1. ブログ系
  2. 食べログ

1.ブログ系

 ブログ系に関しては、誰もが考えつくようなことだ。自分でブログを持とうとすると、HTMLとCSSでブログサイトを構築しなければならないし、連続して更新するとなれば、CMSの導入も視野に入れなくてはならない。すると、若干のプログラミング技術まで必要になってしまう。ブログを持ちたいと思う人は多いが、自前でそれを構築する人は限られている。さらに、作っても公開するとなると、サーバーを自分で用意したりレンタルサーバーと契約したりと作る以上に面倒くさいことが待っている。
 こうした状況に対して"そりゅーしょん"を提供したのが、ブログホスティング系のCGMだ。アメブロはてなダイアリーlivedoorブログやココログなどがこれにあたる。広い意味でとらえれば、クックパッドなどは、料理特化型のブログと言うこともできる。
 少々本筋から外れるが、これらのサイトにはだいたい広告がついてる。ユーザーは自分が無料でブログを開設し執筆できるという環境を得られると同時に、そのサイトに無料で記事を提供しているという側面を持つ。自分がどれほど面白い記事を書いてそのPVに応じて広告が利益を生もうとも、それを享受できるのはホスティング側だけだ。
 これは、本当に凄いことだ。ブログを書いて稼ごうとする人は昔からいるけれど、これはブログを書かせることで稼ごうとする仕組みだ。なぜ、ユーザーは他人の利益になることを進んでやろうとするのか。「原稿料払えないけど、雑誌出したいから記事書きたい人いる?もちろん売り上げから利益がでても全部私がもらいます」と言われているのに等しいことを(※もちろん、有料ユーザーとして登録させる代わりに広告の利益をユーザーのものにするというプランを用意しているところもある)。
 改めて言うことになっしまうけれど、これはやはり意識無意識問わず、ユーザーが「構築と維持の手間を省かせてもらっている」という恩義を感じているからであり、これによってブログホスティング系のCGMは、今でも成り立っている。
 新しくCGMサイトを始めるのが難しいのは、ユーザーにいかにして「何でお前のために書かなくちゃならんねん」と思わせる前に、素晴らしい環境を用意して「ぜひ書いてみたい」と思わせられるか、というところだ。

2.食べログの類

 2つめ。実は、ここからが私が本当に掘り下げたいことでもある。ここではひとつの欲望を取り上げたいと思う。それは、「とりあえず何でもWebに載っけたい」という欲望だ。
 ここで対象にしているサイトは、食べログホットペッパービューティーのようなサイトだ。これらに共通するのは、「店(舗)」ということだ。私たちは今やたいがいの状況で「とりあえずググる」ということをする(だからこれらのCGMGoogleの台頭以後と密接に絡んでいる)。その理由は、開店閉店時間を知りたいがためかもしれないし、その店についてのメニューなどの情報、アクセスマップ、あるいは評判かもしれない。だが、これらのことはその店がWebサイトを持っていない限りインターネット上では知り得ない。そうした中で、誰かがまとめてWeb化してしまおうとした。
 ここでは飲食店を例に具体的に述べていこう。
 食べログのようなサイトは、飲食店をとりあえず全部載っけようとした。Webに載っけるという方法は、それぞれの飲食店が独自にサイトを開く事でもなし得ることであるが、全ての店がそういうことをする余裕があるわけではないし、全てが揃う事を待っているわけにもいかない。これを食べログのようなサイトがまとめてWeb化することを引き受けた。
 URL的に考えれば、
sandwich-kobo.jp
kichijojide-umai-panya.com
karubi-no-yakata.jp
yukiyasaide-rohasu-house.org
 となるところを、
ryoriya-portal.com/sandwich-kobo
ryoriya-portal.com/kichijojide-umai-panya
ryoriya-portal.com/karubi-no-yakata
ryoriya-portal.com/yukiyasaide-rohasu-house
 と自分のサイト内に勝手に取り込んでしまうようなものだ。
 そしてこのサイト内の店舗ページは、ジャンル、閉店時間開店時間、あるいは席数などの基本情報だけではコンテンツとして寂しいために、そして全ての店について運営者たちだけでは更新していくのが不可能なために、CGM化する。ユーザーに写真をとらせ、おすすめのメニュー、店の雰囲気、オーナーの態度、上手いかどうかの判断を——論評したがりな現代人の欲望を満たしつつ——書かせる。
 今述べたところまでで、いちおう、ひとつの食べログ批判への批判」を試みることができる。それは「だったら自分でWeb化しろ」という批判である。ユーザーが食べログの情報に頼るのは、店がWeb化を怠ったからだ、というわけだ。
 まとめると、Googleで検索しても知りたいことが出てこない、という状況を回避したいがために「とりあえず全部Webに載っけたいという欲望」が生まれ、そうした世の趨勢に各店舗が追いつかない間に、食べログなどのCGMサイトがいわば「代行」する形で現れたということになる。
 以上がCGMの起源である。