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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

角川文庫、海外の自己啓発本を重視か

livre 書店逍遥日誌

 本屋に行ったら目に付いたことがあった。角川文庫の新刊が並んでいたのだが、そのラインナップの中に自己啓発本が3冊も含まれていた。自己啓発本の古典中の古典である『道は開ける』の新訳と、ある方面ではよくきく名前の「オグ・マンディーノ」の著作が2冊あった(以下の商品リンクでは縦幅を考慮して『その後の世界最強の商人』は除外してある)。

新訳 道は開ける (角川文庫)

新訳 道は開ける (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

 海外の自己啓発本は、セルフヘルプというジャンルなので以下ではセルフヘルプ本と呼ぶことにする。
 角川文庫からは8月にも、ディーパック・チョプラによる『富と成功をもたらす7つの法則』が出ている。セルフヘルプ本が文庫化される、というのは一部の新興出版社を除けば稀なことだ。
富と成功をもたらす7つの法則 (角川文庫)

富と成功をもたらす7つの法則 (角川文庫)

 とはいえ、角川文庫からセルフヘルプ本が出るのは最近に限った話ではなかった。例えば、ジェームズ・レッドフィールドの『聖なる予言』*1シリーズを出しているのも角川文庫だし、また、同じく角川文庫のパウロ・コエーリョの『アルケミスト*2も広義のセルフヘルプ本に含むと見る事ができる。
聖なる予言 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

聖なる予言 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

 ここで、じゃあどうしてわざわざ一記事を費やして話題にしているかというと、これから重視していくのではないかという予兆が見えたから。
 まず、最初に紹介した今年出た3冊は、以前から出ている2冊と違って、背表紙が白になっている。これに対して、スタンダードな角川文庫の海外作品(例えば、『動物農場』や『アメリカ』など)は、紺の背景色に白色の文字でタイトルが書かれている(翻訳本シリーズ自体が白背景に変更したのではないか、という考えもよぎったが『道は開ける』と同時発売の『ヒューリー』は紺のままだった)。セルフヘルプ本が文庫内の新たなジャンルとして扱われていくのかもしれない。
 もう一つは、角川フォレスタの立ち上げや、中経出版の子会社化(つまり、ここ数年でのKADOKAWA化)によって、ビジネスパーソン向けに文庫でも何か「売り」を作ろうとした結果の策なんじゃないかという気がしている。
 ここまでああだこうだ書いてはみたものの、角川書店に対して何よりも言いたいことは、ミシェル・ウエルベックの『闘争領域の拡大』、『ある島の可能性』、『プラットフォーム』を品切れ状態のままにさせておくとはどないなっとんねん、ということでございまして、このような状況で「より魅力的なコンテンツの創出や革新的なサービスの提供を行っていけるよう努めてまいります」と言われてもこちらとしてはどういう顔をすればいいのかわかりません。終わり。

2015.03.05追記

 その後、毎月のラインナップをみたが、そうでもなかったことが判明。すみませんでした。

*1:自分が知ったのは、元NHKアナウンサーの住吉美紀さんが、ページ1 | 世の中の見え方が変わる3冊。 | Book | My VAIO MAGAZINE | My VAIO | VAIOパーソナルコンピューター | ソニー のサイトで紹介していたのを見たから。買って読んだものの、あまり理解できず、半分くらいでやめてしまった記憶がある。もう本棚にもない。

*2:今まで写真付きで紹介した5冊の本のうち、3冊が山川紘矢・亜希子夫妻であることに注目。