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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

Webサイト制作の飛び込み営業をやめた

WebDev WordPress

個人的な経緯

 いぜん、営業についていくつかこのブログで触れた。初めて飛び込みをした時のことは、はじめてのえいぎょう - Birth of the Fool に詳しく書いた。そして、3件目が終わった後に、営業3件目 - Birth of the Fool という記事を公開した。この記事の最後は次のように締めくくった。

多分、「飛び込み」や「直接電話」というやり方が悪い。やり方を変えないといけない。あとは、数!!!

 この後、パンフレットを制作して、営業がてらそれを受け取ってもらうという方針に変えた。パンフレットがあれば、その場でYes/Noを判断させるという無理強いを避けることができる。そんな中で書いたひとつが、次のような記事だった。ウェブでデザインやってるからって、気軽にDTPに手を出すとろくなことないよね - Birth of the Fool
 こうして、8月は頻繁にキンコーズに通って、慣れないDTP(もどき)と付き合って、借金もして数十枚のパンフレットを刷った。こうしてまた営業に出かけて行った。これが8月から9月のことだった。しかし、自分は20件から30件の間でやめてしまった。結局、営業によって取れた仕事はゼロだった。
 営業の本なんかを見ると、「1000回ノー言われてもめげない」とか書いてあるし、ドリカムも「1000000回だめでヘトヘトになっても1000001回目は上手くいくかも」とか歌っているけれど、自分にはどうしても向いていない気がしてめげてしまった。とりあえず100回やることも考えたが、101回目で取れたとして、その次にまた別の100回が待っていると思うと、途方もない感じがした。
 今は別の道を開拓しようとしているが、依然その道は険しい。このあいだ法事で親戚が集まった時にも、ずいぶんと風当たりが厳しかった。もうそろそろ限界かもしれない。

上手くいかなかった理由

 人はうまくいかないことがあると、あきらめるための理由を探してしまいがちだ。今から述べることもそれと同じなのかもしれないけれど、Web制作業界に幾らか寄与するくらいの客観性を持たせつつ、理由をいくつか挙げてみたいと思う。前提として、対象となっていたのは、ウェブサイトが無い(新規の提案)、それか、あっても極端にデザインが古い(リニューアルの提案)「街のお店」で、こちら側の作るサイト(WordPress実装)は一定の水準のクオリティを持っているものとする。値段は、サーバー設置とドメイン取得込みで基本料金100,000円いかないくらいで、保守は別料金。

1. 親しい人にWeb関係の人がいる

 インターネットが一般化された1995年からおよそ20年経って、作る側の人口も増えた。クライアント候補の身近にもひとりはそういう人がいて、その人が無料で引き受けてくれる。それゆえ、外部の制作者が出る幕はない。 
 ひとつ、あまりにも時代から取り残されたようなサイトがあったのだが、それも「友人作」だった。その人はプロではないと思うが、こちらが提示したそれよりもはるかにデザイン的に優れたサイトも、友人の身近さと無料には敵わなかった。
 (断れる際の言葉: 「息子がね、そういうのやってて、今度作ってくれるはずなんよ」、「知り合いに頼んでるんですよね」)

2. クライアント候補がPCとネットを使えない

 ずいぶんとインターネットは多くの人のものになったけれど、それでもまだパソコンやインターネットについてよくわからないという人はそれなりにいる。だからこそ、こういう人たちはウェブサイトを持つことなど考えてもみなかったのであり、ウェブサイトを持つことの有用性を知らなければ、必要性も感じない。ここに売り込んでいくことは大変難しい。
 (断れる際の言葉: 「ああパソコンわかんないわかんない」、「インターネット?いい、いい」)

3. 実はグループ企業の一店舗だった

 チェーン店では無く、検索しても引っかからない新規の店舗に対して営業をしたものの、実は大元となる会社が上に存在していて、作るとすればその大元が契約している制作会社が作るから不要と断られたことが数回あった。
 (断れる際の言葉: 「そういう作ってくれるところはあるんですよね、ええ、実はグループでして」)

4. 無料ツールには叶わない

 自分で商売をやるような人は、既にネットワークを持っていて、ウェブサイトを通じた外部者に頼らずとも、FacebookとLINEでほとんど事足りる、という人が一定数いる。自分のウェブ上のプラットフォームの必要性を感じていたとしても、アメブロで何ら不満はないのだろうし、こちらもそれに対しても特に異議はない。
 まずセレブを取り込んで、一般人にも同じテンプレートとインターフェースを提供するというある種の民主化はビジネスモデルとしては抗いようのないもので(例えば、着る服も食べるものも海老蔵の数十分の一のレベルしか日常では味わえなくても、このブログだけは平等というカタルシスを提供。あるいは、菜々緒には全く脚の長さで叶わなくても、この一行一行の間の過剰な長さだけは同じ尺という救いを提供)、それに対してパララックスだワンページレイアウトだとか言っていくらかデザイン的に優れたサイトを見せても勝ち目がない。
 もちろん、こうした無料サイトではなく独自でサイトを持つことによる効果(検索順位的にどうだとか、独自のデザインでブランディングだとか、情報の構造化が理解を促す云々)なんてのを説くこともしたが、やはり無料には敵わなかったのだと思う(ここで、「レ・ミゼラブル(ああ、無料)」と書こうとして専属マネージャー(非実在)からNGがかかった)。
 (断られる際の言葉:「Facebookアメブロで十分です」)
 ざっとこんな感じ。今から似たようなことを始めようとしている人が読んでくれていたら、厳しい状況にあるということはわかってくれたと思う。ちなみに、家の近所はやめておいたほうがいい。断られたとしてもそのお店や病院はその後いくらでも通り過ぎることになる。そうするとだんだん、心が荒んでくる。稲葉浩志風に言えば「町中が裏切りにあふれてると」と感じて「スネるだけのヤツ」になる危険性がある。対象を定めるなら、生活圏外の街の図書館に行って、そこのタウンページを元にするのがいいと思う。

で、どうするか?

 多かれ少なかれ、大きな資本を相手にせざるを得ないのだと思う。個人経営のお店を当たってもダメだったのは、やはりウェブサイト制作料金が高かったからだと思う。100,000円以下といくら安く抑えても相手にとっては高くなってしまうという構造的な問題だ。SNSアメブロによるマーケティングはある意味ここにsolutionを提供しているのだろう。
 で、大きな資本を相手にするためには、エージェントを介す必要があって、それはつまり制作会社に就職ってことっすな。他にも打開策は考えてはいるけれど、これが一番現実的な路線なのだろうと思う。