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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

メディア・ジャーナリズム特化型のウェブ制作事務所の可能性を考える

WebDev

はじめに

  • 「今、民主主義は危機なんです。プラットフォームも脅かされています。良質なジャーナリズムを守るためには、云々」というような話はしない。
  • 中・大規模サイトも想定
  • この記事ではスキル面を重視してリスト

スキル

1. デザイン

 配色やレイアウトはもちろんのこと、タイポグラフィにまで十分に配慮の行き届いたデザインを設計できる。讀賣、朝日、日経、毎日、産経の主要五大紙の中で、デザイン的に優れていると思わせるものは現時点では一つもない。組織も扱う対象も巨大すぎるから仕方ない部分もあるのだろうけれど。

2. 必要に応じてネイティヴアプリの開発ができる

 優れたウェブサイトを持っていても、ちゃんとアプリまで持っているところもある。これはアプリ内課金で講読料を徴収することにつながる。

3. Webでの存在感(appearance)を確立できる。

 まずは検索流入。SEOに強いマークアップ、インフォメーションアーキテクチャの設計は必須。また、SNSからの流入を一定数確保できることも今の時代には求められる。このために、OGPなどの実装的な対策やシェアボタンまわりの工夫が必要とされる。 
 実装面だけでなく、コンテンツ方針としても要件がある。記事の長さなどの使い分け(紙面があってウェブ版もある場合、長い紙面の記事をそのままコピペするようでは読まれない)や、扱う内容のハイブローとローブローのバランス配分(「良質な記事を提供し続けるためならば、涙を飲んででもかわいい猫の画像まとめも配信しようではないか」)など。
 加えて、インフォグラフィックで拡散しやすいようなコンテンツを流すというのもやり方としてはある(インフォグラフィック拡散は@voxがうまいような)。

4. エンジニアリング

 ひとつには、編集を加速させるようなCMSアーキテクチャーを構築することが求められる。中規模の場合、WordPressで済ませるにしても、権限周りの実装や独自のダッシュボードにおけるUIの構築などが必要とされる。フロントエンドでも、読む体験を加速させるエンジニアリングというものがある。例えばTIMEは記事を次から次へと読んでしまうようなフロントエンド実装になっている。

5. 作るだけでなくマネタイズまで面倒を見られる

 メディアが持続可能であるために、マネタイズの方法を心得ていることが望ましい。例えば、広告戦略。Adsenseを使うならばどのユニットをどこに置くのが効果的だとか、Adsense以外の広告の採用だとかが主な対象となる。しかし、それだけではなく、規模が大きいものであれば、アドヴァトリアルやネイティヴ広告も−−メディアとしての倫理観を考慮しつつ−−検討することができればさらに良い。
 また、紙媒体やAppなどウェブだけでなく他の媒体があるのであれば、それらの有料プランへとユーザーを向かわせ、購読者を増やさなければならない。

6. ウェブならではの情報提示ができる

 紙で発表したことを「紙面より」と言って公開するだけでは、ウェブの特性を活かせていないことになる。ウェブならではということの例としては、10月にニューヨークタイムズがオスカー・デ・ラ・レンタというファッションデザイナーが亡くなったときに、1932年から2014年までの彼の人生を、時系列のグラフで振り返るという記事を出した。とてもシンプルなものだったが、余白を多く使い、グラフの中に時に織り込まれる写真と文章は、単なる訃報にとどまらないニュース記事の可能性を示した。

 さらには、データビジュアリゼーションを使ってニュースを提示することも必要とされる。ガーディアンは「データブログ」といって毎日何かしらのデータビジュアリゼーションを公開している。日本でも日経新聞の人口減少地図が話題になった。

7. リニューアルに伴う移行作業をできる

 やや地味な部分。外注するという選択肢もあり。多くのニュースやメディア系のサイトが上で述べたような状況にないため、新規でもない限り、リニューアルという形をとることになる。その際、

  • 既存のサイトに慣れているユーザーがリニューアルしても離れてしまわない程度にはソフトな改善
  • (必要ならば)データベースの移行作業