読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

WEBNKO(ウエブンコ)という書店体験のできるサービスを公開しました。

WebDev

 f:id:sthmdnss:20150728205413p:plain いちおう完成しましたので、お知らせします。

作ったもの

 WEBNKO(ウエブンコ)というサイトです。AmazonAPIと連携しているので、いちおうサービスと名乗れると思います。文庫本の背表紙をただ羅列しており、デスクトップの前で書店にいるような感覚を味わえます。ローンチに伴ったレーベルとして、岩波文庫ちくま文庫ちくま学芸文庫を収録しています。これから新書や他の文庫レーベルも扱う予定です。

推奨環境

 Google ChromeSafariでごらんください。対応環境について、詳しくはサイトでも記していますWindowsユーザーの人は、いますぐMacに切り替えてください。というのは嘘ですが、Windowsだと文字が綺麗に見られません。

その特徴と動機

 少しでも本に詳しい人は知っていると思いますが、岩波文庫って大きい書店でないと多く扱っていないんです。なぜかというと、岩波書店が売れなかった本の返品に応じない方針をとっているからです。書店側としては売れなかったらずっと在庫を抱え続けないといけない。そのために町の書店では入荷を躊躇する傾向があります。『論語』と『君たちはどう生きるか』と『ラ・ロシュフコー箴言集』くらいを置いて、「ま、これが限度やろ」となってしまうのです。

 岩波文庫が教養の象徴として現在でも機能しているかどうかの議論は置いておきますが、それでもジュンク堂丸善などの大きな書店に行って、岩波文庫の棚の前に行くと「おおー」という感嘆することはあるでしょう(あるいは、かつてあったことでしょう)。それを再現したいという気持ちが動機になっています。    丸善ジュンク堂では在庫ありの新品しかおいていませんから、たくさんあるといっても数に限りがあります。しかし、Amazonマーケットプレイスは品切れの古本まで扱っています。それゆえWEBNKOでは、品切れになっている書籍も含め、ほとんど全ての岩波文庫の背表紙を総覧することができます。これはいままで無かったことです。

 扱うのは岩波文庫だけではありません。ちくまの文庫も収録しています。これは岩波文庫で足りないタイトルを補うためです。岩波文庫は何でも揃っているように見えますが、足りないように感じるものも結構あります。例えば、ニーチェの書籍は岩波文庫からは数冊しか出ていませんが、ちくま学芸文庫からは全集が出ています。『曙光』、『偶像の黄昏』などはちくまにしかありません。フランス現代思想もちくまの方が圧倒的にカバーしています(なお、ちくまに関しては、今のところ、ウェブサイトで在庫ありとなっていたものしかサイトに収録していません)。 

実装

 ぶっちゃけ大したことしてないです。HTMLを表示させれば一発でわかってしまうので白状しますが、WordPressで作っています。サーバー側は余っていたレンタルサーバーを使っているので、実際、そこらへんのホームページと変わらないといえば変わらないです。    それでも苦労したところはあって、データ収集&整形と背表紙のスタイルがそれです。データは出版社のウェブサイトとAmazonAPIから行いました。スクレイピングするわけですが、岩波書店は未だにテーブルレイアウトというまったくセマンティックではないHTMLで、非常に苦労しました。スクリプトRubyで書いています。    また、データを取ってきても、背表紙にどのように現れるのかは別の情報なので、実際に書店で「フィールドワーク」もしました。ただここの再現率は100%ではないです。

 背表紙のスタイルは、見ればわかると思いますが、非常にアブノーマルです。縦書き表示しつつレイアウトをどのように構成するのか、公開した今でもなんだかんだいって決着をつけられていません。対象ブラウザが限られてしまっているのは、この縦書きを実装するCSSプロパティをサポートするブラウザが限られているからです。

 WordPressで作ったことに関して言えば、権限やタクソノミーの管理や基本的なセキュリティなど、やっぱり楽だなと思うこともしばしばありました。が、同時に、具体的なエラー名は挙げませんが、何でもWordPresで作ってしまうことの限界に突き当たってもいます。

制作期間

 構想としてはHTMLやCSSを身につける前からあり、技術的に上達するにつれ何度か挑戦しては挫折し、今回はたまたま成功したという感じです。構想2年弱、構築2ヶ月といったところでしょうか。 

 本格的に着手したのは、5月中旬です。いくつかの制作会社から断られたので、仕方なく自主制作を再開させざるを得ませんでした。「あんまり時間はかけられないから、5日でなんとかしよう。少なくともその気でいよう」というつもりで作っていたらなんだかんだ2ヶ月かかってしまいました。作業の比率としては、データ収集とその整形が35%、実装が65%くらいでした。

 とはいえ、こればっかりに集中していたわけでなく、2、3のアルバイトの面接(→撃沈)や委託の業務についてのやり取りをしていました。あと、Web技術の才能ないなと思い始めてTOEICを受けることに決めていたので、その勉強もちょくちょく挟んでいました。  

今後

 アソシエイトリンクを貼ることを目的としたサイトなので、稼ぎの一部になってくれるにはこしたことはないのですが、いかんせんバズる才能がないので、ひっそりと「置いておく」しかないのかな、と思っています。Amazonで車や家電を買うときに、WEBNKOに立ち寄ってくれると嬉しいです(もちろん、本でもいいよ)。

 個人としては、作っている最中にまた別の企画が思い浮かんだのだけれど、またWordPressってのもしょぼい気がしてどうなんだろう、という感じ。結局何で作るかよりも何を提供するかなんだろうけれど、じゃあそうなると自分は技術者ってよりかは編集者なんだろうな、と思う。少しのPHPとJavaSciprtが書ける編集者なんていてもいいじゃないか。仕事はないけど。とにかく、ウェブ上のマネタイズの難しさは、かなり実感しているので、インターネットで新しいことをやるかはわからない。とは言ったけれど、英語と装幀のブログは始めると思います。 

 あと、今回の経験から、ブラウザで文字を見せることの限度を感じました。より正確には、個々の馴染みのブラウザを持つユーザーたちがいる中で、見栄えを統一するのは無理があるということ。文字の綺麗さにはこだわりたいので、この困難さがある以上、自分はブラウザ上でのプレゼンテーションから身を引くのが賢明なのかもしれない。それか、Windowsに入社して、頑張ってMac並みにフォント水準を上げることも0.00001%くらいの可能性で残されてはいるけれど。

今になってお知らせしている事情

 前々回の投稿で予告していた時間には公開済みとなっていたのですが、それでも今になって告知するのには理由があります。それは、いろいろなブラウザ環境でテストした結果、「MacChromeじゃなきゃ味わえないわ、これ」という現実を改めて突きつけらたからです。稼ぎを重視するサイトではパイの少なさが致命的なことを思い知らされ、自分自身でこのプロジェクトに幻滅してしまいました。それだからといって、さすがに公開を取りやめるのは馬鹿げているので、今こうやってお知らせしているというわけです。

Updates

  • 7/29 意味の変わらない範囲で日本語表記を一部改めた。