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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

#4 美意識に訴える。タイポグラフィー指向ウェデザイナーの方向性

TW草稿

繰り返しになるけれど、問題意識はこうだ。Webにおけるタイポグラフィーが非常に貧しい状況にあるのは間違いない。ただ「気持ちよく読む」というだけのことが蔑ろにされている。

これは、例えば、出版社のウェブサイトを見ればわかる。紙の上ではめちゃくちゃタイポグラフィーに気を使う出版社たちが、なんの工夫もないCSS設定をしている。工夫の問題だけでなく、大手出版社でさえ、ジャンプ率がおかしかったり、文字サイズが小さすぎたり、図表にエクセルで作ったただの画像を貼ったりしている。アメブロでバラエティタレントが1段落1行で行間に12行くらい空けてるのとレベルとしては変わらない。それだけでなく、いきなりPDFに飛ばすようなこともしている。紙の上ではあんなに頑張る彼らが、ウェブになると「気持ちよく読」ませてくれない。

だからまず、気付いてもらわなくてはならない。そのために自分にできることは、納得させるための広い意味での交渉も大事だが、まずはウェブでも「気持ちよく読む」ことが可能だということを示すことだ。

いままではもっぱらウェブサイトなどを必要としている人を探して、その需要を埋めるような商売方針だった。しかしこれからは、需要そのものを作らなければいけない。欲望を喚起させるような側面も出てくるだろう。

欲望を喚起させるような、というのは、具体例ではこういうことになる。100円ショップの時計も、ロレックスも、だいたいは同じように秒針を刻む。少なくとも向こう1年じゃ差は大きく現れない。つまり機能としてはまったく同じなのだ。ところが、100円ショップの時計の数百、数千倍の金額を払ってロレックスをつける人がいる。それは、ロレックスというアイテムが、美意識に訴えるものであるからだろうし、それをつけることによってその人に箔が着く側面があるからだ。

これと同じで、現状で稼働しているひどいタイポグラフィーのサイトも、文字が重なっていたり文字が潰れていたりするわけではないので、いちおう読めないことはない。最低限の機能さえ果たしてれば、問題無いという人がいまはほとんどだ。しかし、それじゃダメなサイトもある。紙の上のタイポグラフィーに注意を払う人たちがスクリーン上でお粗末だったらイメージとしてマイナスだし、あるいは、背景動画のパララックスなど割と新しいデザインを取り入れているサイトが、Google Fontsから粗末なフォントを選んで使っていたら、美意識に欠けるとみなされてしまうだろう。

贅沢なものの範疇だと言われればそれまでなのだが、自分は、こういうことを解決していきたい。この需要を生めなかったら、アルバイト兼業はさすがに生活が辛いので、フリーの看板は畳むつもりだにゃ。