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ファイヤードブログ

ディジタル・パブリッシングという観点から、Webサイト制作、電子書籍制作などを。※ブログリニューアル中

スターバックスのアルバイト面接に落ちる方法

たったいま不採用通知がきたので公開する

「スタバ 面接 落ちた」などと検索して、初めてこのブログにたどり着いた人もいるでしょう。こんにちは、反面教師ですよ。今日はどうやったらスタバの面接に落ちるのかをお教えしよう。スタバで働きたいなんて思っているキミは、きっとキラキラしてる方だと思う。そんなキミが緑のエプロンをつけられる確率が、このブログを読むことによって、1%でも上がるよう願ってる。なお、本文の構成としては、「面接まで」、「面接にて」、「面接後のあと」の3部から成り立っている。

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面接まで

まず、面接時間の5分前にたどり着いた。これはちょっと想定外だった。というのも、その日の早朝に買ってあった1日乗車券を無くしてしまって、一つ前の用事があった場所から歩いて面接現場に向かわなくてはならなくなった。だいたい4駅分くらい歩いた。まいったね。天下のスタバで働こうってんだったら、15分前くらい、いや、1時間前到着でも遅くない。なんなら、テントを貼って前日から待機してるのもいいだろう。とにかく到着時間の早さでまず君の熱意をアッピールするんだ。

さて、店内に入って、スタッフ、じゃなくてPTRの人に「アルバイトの面接にやってきたものですが……」と挨拶をして、与えられた席がフロアのど真ん中だった。周りはたぶん、そうだな……キミみたいなスタバに来るような人ばっかだ。あまりにも他の客に囲まれた中でのインタビューになったので、ちっと怖気付いていた。で、座るように言われたので腰掛けられたら、驚いたことに、「ホットかアイス、どちらがいいか」と尋ねられたんだ。「へえ、ドリンクなんて出んのか」と思いつつ、「じゃあ、キャラメr」まで言ったところで、「ああ、やばいこれ……。味付けされたものは対象外だよな、当然」と思い直して、平然とした顔で「ホットで」と言い重ねたよ。キミもうっかり「マロンシナモンブニュエルカサヴェテス」みたいな、豪華なドリンクは頼まないよう、注意しておくれよ。

面接にて

いちばん気になるのは面接で何を聞かれたかだって?わかってる。せっかちなキミのために、最初にリストアップしてしまおう。

  • 自己紹介
  • 志望動機
  • 休日の過ごし方
  • チームでの経験とその時に果たした役割
  • 雇われたあとの具体的な貢献

面接官とお互いに向き合ったら、まず自己紹介をするように言われた。これはよどみなく言えた。次に志望動機。ここで、おいらは普段はドトーリスタでベローチェアンなんだけれど(フトコロ事情的に)、この面接ではベローチェドトールをぼかしつつも欠点をあげつらい、いかにスターバックスが優れた労働環境を店員もといPTRに提供しているかを熱心に語ったよ。面接に臨む前に書いた草稿をこのあとすぐ載せるから、落ちるやつはどんなことをだいたい言ったのか、知るといいよ。

(以下、「なぜスターバックスで働きたいか」に対する答え) 個人的な理由から言うと、今の自分から遠いところにあったからですね。見た目と性格的に明らかにスターバックスさん向きではないことは自覚してます。そもそも、あまり接客に向いているとは思いません。実は、大学を休学していた時の話ですが、いちど別のカフェUで働こうとして不採用になっているんです。なので、半分駄目元みたな感じではあります。それと、コーヒーにも興味があります。自分で豆を買ってハンドミルで挽いていた時期もあります。まぁ、豆は主に近所のカルディ・コーヒー・ファームですけれどね。Ha ha ha。

 外的な要因としては、そうですね、たとえば、200円前後のブレンドコーヒーを主に売る店だと、いかに回転率を上げるかということが重要になるので、どうしてもスタッフの人が機械的になってしまうんです。でも、スターバックスはどこか違いますよね。私は昨年だと100回以上、いろいろなカフェに行きましたから、わかるわけです。 DやVに働いている人も、必ずしも機械的じゃないんです。でも、きっと元々は同じような人間でも、スターバックスで働くかそうでないカフェで働くかだけで、その選択だけで働いているときの様子に大きな違いが生まれるんですね。これが不思議で。働く人を機械的じゃなくさせるスターバックスの環境というものに興味があります。

もちろん、これを全て暗記して読みあげたわけじゃないからね。ちなみに、年に100回以上カフェで何してるのか、どうしてそんなにカフェにいくのかということについて気になった人は、おいらが書いた本を買って読んでおくれ。Kindleのアプリがあれば読めるよ。100円くらいするけどね。

カフェに平気で長居する人の頭の中: 店員さんに嫌われずに集中する術 (叢書ファイヤード)

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スタバで働きたい人は、上の志望動機のどこが悪かったのかを添削してみよう。もし「特に悪いところはない」と思ったなら、「何を言うか」よりも「どう言うか」、つまり見た目や声、様子の方が大事だということが明らかになる。次行くよ。

三番目の休日の過ごし方。これは、「家で一日中、読書か作業してます」と言おうとしてやめたよ。何を言ったのかは敢えて明かさないけれど、おそらく高評価ポイントとしては他人の存在をほのめかすことだね。つまり、「美術館によく行きます」よりかは、「友達とディズニー行ったり食べ歩きしたりします」という方が好ましいってことだね。これは、ナンパ師がうんちくを言って相手の興味を引こうとするときに、あえて「友達から聞いたんだけれどね」と切り出して、自分が友達に囲まれている存在であることを暗に示すのと同じトリックだ。まとめると、友達に囲まれて過ごしている人は、ありのままを言おう。一人ぼっちで過ごしている人は、何かでっちあげよう。例えば、「デートです」とだけ言っておくとか。デートとだけ述べておけば、詳しく聞かれそうになっても、恥ずかしがる振りをしながら「ふたりだけの秘め事なので。おほほほほほほほほほ」とかわすことができるからだ。

そろそろ、ここら辺で一番大事だと思ったことを書いておこうか、それは忠誠心だ。もちろんスターバックスへの。インタビュワーの女性は30歳過ぎといったところで、自分の職場に誇りを持っていることが伝わってきた。だから、「あなたがここで働くとしたら」とか「緑のエプロンをした姿を想像して」という言葉とともに、なぜ接客業で、なぜスターバックスなのかということを深く聞いてくるわけだ。他にも、「他の店じゃなくてなぜここなのか。もしどこでもよかったら、ここにいる意味が無いじゃない」というようなこととか「お客様にPTRとしてどう奉仕できるか」みたいなことも聞かれたような気がする。これらの質問に対してちゃんと答えるためには、よほどの忠誠心がないと無理だね。

「巨人ファンで巨人以外のプロ野球チームには入りたくないというプロ志願者がたまにいる。スターバックスのアルバイトに応募する人も同じで、ファンであるがゆえにそこで働きたいという人が多いだろう。残念ながら、自分はそこまでファンじゃない。しかし、だからこそ盲目的にならず、客観的に、冷静に、お店やサービスのことを考えていける」というようなフレーズを用意していたんだけれど、とても言える雰囲気ではなかった。

そんなだから、最後の「雇われたあとの具体的な貢献」という質問に関しては、ほとんど黙っちまった。質問自体も抽象的であったので、ちゃんと答えられなかった。「この店舗で働き始める前にそういう問いに答えろというのは無理やろ」的なこともいってしまった。しかし、答えを出さないわけにはいかないので、120秒くらい微笑とテヘペロをカフェモカに対するシナモンのように相手に振りまきつつ無言で考えあぐねたあとに、しかたなく言葉を吐き出した。だいたいこんなことを言った。

おいらドトール的な店員さん、ベローチェ的な店員さんというものはないが、スタバ的な店員さんというのはある。しかもそれはポジティブに語られる。私がここで働くことになったら、新しいOSをインストールするがごとく、スタバ的な人間になる自信がある」

これは答えになっていない。しかし、大人になると、答えを語っているかのように何かを語ると、どんな適当な言葉でもそれを答えとしてその場を済ませてしまえるようになっている(ということをおいらは知っている)。それを利用して切り抜けた。ついでに話の続きを見てよう。

PTR「それは自信はどこからくるのですか」

おいら「この血が叫んでいます」

PTR「本当ですか」

おいら「本当ですが」

PTR「先におっしゃったもの以外で質問はありませんか」

おいら「ありません」

PTR「それではこれで面接を終わります」

おいら「もうええわ」

PTR&おいら「どーもありがとうございました」

司会の今田耕司「いやー『血が叫んでる』言うてはりましたけれども……(以下略)」

「この血が叫んでいます」という発言は本当に言った。発言した瞬間に、面接官の軽い嘲笑を見てしまった。それは相手のことを見下すためのものではなく、価値観が異なる者と対峙したときの諦念がもたらす慰めの笑いとしての嘲笑だった。

繰り返すけれど、おいらはベローチェアンでドトーリアンだ。自分の恐るべき二枚舌に愕然として、この時点で心は引き裂かれていた。上の空のまま、隠れキリシタンたちが踏み絵をさせられるときのことと比較して、自分がごみくずのように思えた。

面接のあと

面接が終わると、おいらはノートブックを開いて、そこに「スターバックスの面接に落ちる方法」と書いて、この記事の草稿を練り上げた。悲しい気持ちがありつつも、一方で、ネタを得たことに嬉々としていたことは認めざるを得ない。これはアマチュアであれ、物書きのはしくれとしての病である。1ページ分くらい、大雑把に書き上げて、コーヒーを飲み干した。周りの客の顔は一人も見ないようにして、店を出た。

最後にいくつか雑記をのこして終わりにする。

聞かれなかったこと

  • 今までの人生で一番熱心でやったことは
  • 好きなドリンクは
  • 将来の夢
  • なぜこの店舗か

顔採用について

スタバというと「顔採用」の噂があるけれど、自分が最近、いくつかの店舗を外からガラス越しに覗いた限りだと、男女ともに無いような気がする。かつてはあったかもしれませんが、とにかくもう過去のものでしょう。とはいっても、六本木、原宿、恵比寿あたりになるとどうかはわかりません。ちなみに、テメエの面はどうなんだってお思いでしょうが、「中の下」だと思ってください。

最後に

こんな文を最後まで読むくらいの人は、そうとうやる気があると思われますから、ぜひ自分のスタバへの忠誠心というものと向き合って、それを頑張って言葉にしてください。幸運を祈ります。